ホンダが初めて成功した《超自動》―
ホンダマチック付N360ATは、世界一コンパクトなオートマチック車です。「小容量エンジンに自動化はムリ」とされていた定説を見事に打破り、どんな高級車にも負けないすぐれた機能のオートマチックを完成しました。しかもその上、マニアルセレクト方式というぜいたくな機構も加わった<ホンダらしい>オートマチックです。
(ホンダ・N360AT(1968年)カタログより 参照)
キカイをみてると気が重くなって、操作をまちがえたらどうしよう、どうしよう…。キカイアレルギーの奥さんて、案外多いものです。奥さん。あなたはいかがですか。
キカイのアレルギーでも、三菱の現金自動払出し機なら大丈夫です。クイックカードをキカイに差込んでポンポンとボタンを押すと、たった20秒で銀行のご用が済んでしまいます。通帳もハンコもいりません。○このカードは三菱総合口座ミニバンクにも付いてます。 気さくな銀行―三菱銀行
(1973年・三菱銀行雑誌広告より 参照)
昭和の広告、特に60~70年代のものの文体には味がある。堅苦しさの中に妙な馴れ馴れしさがあって、若干仮名遣いがおかしいような気もする…高度成長期から安定成長期へと変化する時代において、成熟しつつある文化から思春期のようないびつさを感じるからだろうか。きょうは僭越ながら、これらの「昭和広告文体」から共通性を見いだし、再現するための手立てを見つけていきたい。
○親しみを感じるくだけた口調
戦前戦後の「書き下し文」のような堅苦しい文章から脱し、いくぶんか対等な文体となったが、現代の広告文と比べると逆に馴れ馴れしく感じられる。
○おじさん構文的カタカナ使い
「ムリ」「キカイ」と目立たせたいところはカタカナで強調。これはいわゆる「昭和軽薄体」にも共通するところがある。また「マニアル」「ディジタル」「フロッピィ」などの外来語の表記ゆれも、比較的新しい工学・コンピュータ分野などによく見られる。
○送り仮名や漢字使用のゆれ
「打ち破る」ではなく「打破る」、「差し込む」ではなく「差込む」と複合語では前半の送り仮名が省かれることが多い。これは内閣告示・内閣訓令でも認められている(参照)が、現在では極端に省略されることは減り、特に後半はひらがなで表記されることも多くなった(「取りかえる」の類)。当時は積極的な漢字使用のわりに「ぜいたく」「まちがえる」とひらがな表記も随所に散りばめられ、ある程度のゆれがある。
○その他
強調や略称などを山カッコで示す。こまやかな おつきあい―<たくぎん>などの具合。
これらのメソッドを活かすと、たとえば以下のような架空の文章を書くことができる。ホモジナイズと高温瞬間殺菌についての説明が微妙なのは、当時の広告にまだ若干残っていた「嘘・大げさ・紛らわしい」を演出するための作為的なものであるのでご承知いただきたい。(詳しくは文末にて)
お子様のご健康に…協和《ビタアルファ》牛乳を!
◯つよい子を育てるビタミンD添加…
骨へのカルシューム吸収を促進させるビタミンDを添加してあります 朝食時に 運動のあとに…是非協和ビタアルファ牛乳をおのみください
◯いつも同じおいしさを御約束する完全ホモジナイズ処理…
「お腹をこわすので牛乳はちょっと…」そんな方はおりませんか 協和ビタアルファ牛乳は乳脂肪を均一化する完全ホモジナイズ処理をおこなっていますから、品質がいつも安定で、どなた様でも安心してお召しあがりいただけます
◯おいしさを逃さず安全な高温瞬間殺菌…
これまでの低温長時間殺菌(パスチャライズ殺菌)は、バイ菌の温床となっておりました 協和ビタアルファ牛乳は、摂氏120度もの高温での殺菌ですから高い安全性を誇っております また2秒間という超短時間の殺菌ですから、たいせつな牛乳の風味を損ないません
協和《ビタアルファ》牛乳のお求めは、お近くの協和乳業特約店へどうぞ みなさまおなじみの《ブルー・カウ》マークが目印です
(※)牛乳でお腹を壊すのは主に乳糖が原因であり、乳脂肪分を均一化するホモジナイズ処理とはあまり関係がない(全くの無関係というほどではないが)。また高温瞬間殺菌(UHT殺菌)の方が衛生的で長持ちするのは事実だが、一般に低温長時間のパスチャライズ殺菌の方が風味は損なわないとされる。