エブリーネット

文章がかなり拙い中学生の頃の記事もありますが、これは戒めです。

まちかどことば百景

~まだそう呼ぶんだ/もうそう呼ぶんだ~

 

・中学の担任が福岡ソフトバンクホークスを「ダイエー」呼び(2015年)

・畑作業中のおばあさん達が「これ『横萬』で買ったんよ」と30年ほど前の商号で話していた。現在のイオン九州の「ホームワイド」(2017年)

・2019年に「新日鐵住金」は「日本製鉄」へと改称されたが、製鉄所の周辺住民たちには未だに「新日鉄」呼びが主流。しかしながら工業高校生には就職を意識してか「日鉄」の略称が早くも普及(2020年)

・スポーツニュースでチームの賞金を管理する担当の選手のことを「財務大臣」と呼んでいた。かつての「大蔵大臣」的用法だが、現在の呼称に合わせて言っているのは初見(2022年)

・Windows11搭載パソコン操作時に「PC」フォルダを指して「マイコンピュータ」呼び。この名前だったのはXPまでで、Vistaからは「コンピュータ(ー)」、8.1から「PC」(2022年)

 

 

【備忘録】2023年読んだ本

単なる個人的メモなので誰もこのブログ記事を読んでないとは思いますが…

今年読んだ本の中で、万人におすすめしたいのは津村記久子さんの「水車小屋のネネ」でしょうか。

谷崎潤一郎賞も受賞しましたね。受賞前に読んでいたのですこし古参ぶれるかも。

ことしは彦根の本屋さんでの「〇〇の本棚」企画に参加させてもらったので、そちらに挙げた本たちもおすすめしたいです。

会社が消えた日 三洋電機10万人のそれから(大西康之/日経BP社)
25センチの恋とヒミツ(神戸遥真/偕成社)
死体は語る(上野正彦/文春文庫)
ジャノメ(戸森しるこ/静山社)
ビーカーくんとすごい先輩たち(うえたに夫婦/誠文堂新光社)
正しい保健体育Ⅱ 結婚編(みうらじゅん/イースト・プレス)
合併・分離事典(造事務所/カンゼン)
君たちは今が世界(朝比奈あすか/角川文庫)
15歳からの社会保障(横山北斗/日本評論社)
糸魚川市大規模火災と復興へのあゆみ(関澤愛 三舩康道/近代消防社)
軽自動車 進化の半世紀(桂木洋二/グランプリ出版)
同潤会代官山アパートメント(三上延/新潮文庫)
空想非科学大全(柳田理科雄/メディアワークス)
改訂4版 グロービスMBAマーケティング(グロービス経営大学院/ダイヤモンド社)
おじさん図鑑(なかむらるみ/小学館)
老後の資金がありません(垣谷美雨/中公文庫)
光村ライブラリー15 ガラスの小びんほか(光村図書出版)
あ・じゃ・ぱん 上(矢作俊彦/角川文庫)
あ・じゃ・ぱん 下(矢作俊彦/角川文庫)
あした、弁当を作る。(ひこ・田中/講談社)
はじめての(島本理生辻村深月宮部みゆき森絵都/水鈴社)
オウムからの帰還(高橋英利/草思社文庫)
水はなんにも知らないよ(左巻健男/ディスカヴァー携書)
石見銀山―世界に冠たるジパングの遺産(東和建設工業/自費出版)
きみの傷跡(藤野恵美/角川書店)
うちの父が運転をやめません(垣谷美雨/角川文庫)
カラーでよみがえる軍艦島(風来堂/イースト新書Q)
オイモはときどきいなくなる(田中哲弥/福音館書店)
恋の相手は女の子(室井舞花/岩波ジュニア新書)
昔話はなぜ、お爺さんとお婆さんが主役なのか(大塚ひかり/草思社文庫)
地図帳の深読み 鉄道編(今尾恵介/帝国書院)
子どものことを子どもにきく(杉山亮/ちくま文庫)
スイッチを押すとき(山田悠介/角川文庫)
子供の死を祈る親たち(押川剛/新潮文庫)
君に恋をするなんて、ありえないはずだった(筏田かつら/宝島社文庫)
学校に入り込むニセ科学(左巻健男/平凡社新書)
夏の体温(瀬尾まいこ/双葉社)
図解 科学捜査(山崎昭/日本文芸社)
なかよし小鳩組(荻原浩/集英社文庫)
日曜日のはじめちゃん(クリハラタカシ/福音館書店)
高学歴女子の貧困(大理奈穂子・栗田隆子ほか/光文社新書)
よくわかる!フランチャイズ入門(日本フランチャイズチェーン協会/同友館)
おれがあいつであいつがおれで(山中恒/角川文庫)
日本のヤバい女の子(はらだ有彩/柏書房)
ネオポケット図鑑 金魚(小学館)
老人初心者の覚悟(阿川佐和子/中公文庫)
初恋五十年(三島海雲/ダイヤモンド社)
望みがかなう魔法の日記(本田有明/PHP研究所)
すぐそばにある「貧困」(大西連/ポプラ社)
子どもが学校に行きたくないと言ったら読む本(菅野純/主婦の友社)
新装版 エロ語呂世界史年号(江口五郎/パブリブ)
罪の声(塩田武士/講談社文庫)
未来のだるまちゃんへ(かこさとし/文春文庫)
夏の日のぶたぶた(矢崎存美/徳間文庫)
いつかの約束1945(山本悦子/岩崎書店)
真説 日本左翼史(池上彰佐藤優/講談社現代新書)
神様のコドモ(山田悠介/幻冬舎文庫)
馬場のぼるのおえかき教室(馬場のぼる/こぐま社)
湯治場のぶたぶた(矢崎存美/光文社文庫)
シニア右翼(古谷経衡/中公新書ラクレ)
ぼくは勇者をたすけたい(中松まるは/童心社)
大ピンチずかん(鈴木のりたけ/小学館)
水車小屋のネネ(津村記久子/毎日新聞出版)
図解 眠れなくなるほど面白い地学の話(高橋正樹他/日本文芸社)
裁判官の爆笑お言葉集(長嶺超輝/幻冬舎新書)
基礎からわかる旅客機大百科(イカロス出版)
角野栄子のちいさなどうわたち1(角野栄子・佐々木洋子/ポプラ社)
うちの子が結婚しないので(垣谷美雨/新潮文庫)
君が夏を走らせる(瀬尾まいこ/新潮文庫)
限界ニュータウン 荒廃する超郊外の分譲地(吉川祐介/太郎次郎社エディタス)
子どもたちの頭の中がこんなことになってるなんて! 思春期の性と恋愛(アクロストン/主婦の友社)
うつくしい絵(かこさとし/偕成社)
風の港(村山早紀/徳間書店)
カリスマ 中内㓛とダイエーの「戦後」(佐野眞一/新潮文庫)
ことばと算数 その間違いにはワケがある(広瀬友紀/岩波科学ライブラリー)
日本語必笑講座(清水義範/講談社文庫)
ポエムに万歳!(小田嶋隆/新潮文庫)
いずみさん、とっておいてはどうですか(高野文子/平凡社)
街に躍ねる(川上佐都/ポプラ社)
黙って働き笑って納税 戦時国策スローガン傑作100選(里中哲彦/現代書館)
まいちゃんのいちにち(神沢利子・垂石眞子/小峰書店)
サキの忘れ物(津村記久子/新潮文庫)
枕詞はサッちゃん(内藤啓子/新潮文庫)
声が出なくなったので、会社を辞めて二人暮らし始めました。(神戸遥真/メディアワークス文庫)
誰も「戦後」を覚えていない(鴨下信一/文春新書)
ゆうえんちにいったまいちゃん(神沢利子・垂石眞子/小峰書店)
杉森くんを殺すには(長谷川まりる/くもん出版)
まぼろしの「日本的家族」(早川タダノリ/青弓社)
昭和少年少女ときめき図鑑(市橋芳則・伊藤明良/河出書房新社)
結婚相手は抽選で(垣谷美雨/双葉文庫)
創価学会(田原総一朗/毎日新聞出版)
コンビニ兄弟(町田そのこ/新潮文庫)

※漫画・地図・雑誌など除く

 

今年はわりと読書できた方だと思います。来年はどうだか…

メモ:サンボランタリー

東京の有力菓子問屋サンエス(2012年に三菱食品と合併)はボランタリーチェーン「ルーキーチェーン」を昭和36年から展開していた。しかしながら1970年代に入ると加盟店舗数は減少して本部への仕入れ集中度も下がるようになり、第一次オイルショック後には活動休止状態となっていた。食料品小売業の総合化が進み、菓子専業の小売店が減少したことが背景にあったとされる。

サンエスは昭和60年にボランタリー事業を再開。地方二次問屋6社と共同で「サンボランタリー」を新たに発足させ、ミニスーパー及びコンビニエンスストアの展開を始めた。平成4年7月現在の店舗数は50店となっていた。

参照:「流通現代史 日本型経済風土と企業家精神」77-78ページ,日経流通新聞1993年刊より

「ブルガリアヨーグルトケーキひとくちタイプ」の幻影をもとめて

ブルガリアヨーグルトケーキひとくちタイプ」が好きすぎる。それもプレーンのやつ。見た目はよくあるキャンディチーズのようだが、ほんのりと甘酸っぱくて爽やかな味。子供の頃、祖母が運動会などの弁当にかならず入れてくれたという思い出補正もあるのかもしれないが、いまでも思い出しては食べたくなってしまう。

【高評価】明治 ブルガリアヨーグルトケーキ ひとくちタイプ プレーンの感想・クチコミ・カロリー情報【もぐナビ】

 

単刀直入に言うとこの商品はもう無い。ブルーベリー味の方はまだしばらく後まで残っていたらしいが、数種類あったこのひとくちケーキはもうどこを探しても売られていないのだ。

(彦根市内のキリン堂某店にて138円で購入)

ある日ドラッグストアでふと手に取った、トーラクカップマルシェ 丸ごと搾り瀬戸内レモンのレアチーズ」がそれなりに近い気がする。ブルガリアの方はあくまでヨーグルトをベースにしたものであってそれほどレモンの味はしなかったような気がするし、もう10年も食べ(られ)ていないので自信は無いが…「同じ味がする」というよりは「あのひとくちケーキが好きだった人は気に入るはずの味がする」といえばいいかな。

レモンの酸味やわずかな苦味にそこまで慣れていなかった小学生の自分に食べさせると「まったく違う」と返ってきそうだが、妙に美化された味の記憶を持っている人間にはこれぐらいが美味しく感じるのでないかと思う。

 

昭和広告文体入門

ホンダが初めて成功した《超自動》―

ホンダマチック付N360ATは、世界一コンパクトなオートマチック車です。「小容量エンジンに自動化はムリ」とされていた定説を見事に打破り、どんな高級車にも負けないすぐれた機能のオートマチックを完成しました。しかもその上、マニアルセレクト方式というぜいたくな機構も加わった<ホンダらしい>オートマチックです。

(ホンダ・N360AT(1968年)カタログより 参照)

キカイをみてると気が重くなって、操作をまちがえたらどうしよう、どうしよう…。キカイアレルギーの奥さんて、案外多いものです。奥さん。あなたはいかがですか。

キカイのアレルギーでも、三菱の現金自動払出し機なら大丈夫です。クイックカードをキカイに差込んでポンポンとボタンを押すと、たった20秒で銀行のご用が済んでしまいます。通帳もハンコもいりません。○このカードは三菱総合口座ミニバンクにも付いてます。 気さくな銀行―三菱銀行

(1973年・三菱銀行雑誌広告より 参照)

 

昭和の広告、特に60~70年代のものの文体には味がある。堅苦しさの中に妙な馴れ馴れしさがあって、若干仮名遣いがおかしいような気もする…高度成長期から安定成長期へと変化する時代において、成熟しつつある文化から思春期のようないびつさを感じるからだろうか。きょうは僭越ながら、これらの「昭和広告文体」から共通性を見いだし、再現するための手立てを見つけていきたい。

 

○親しみを感じるくだけた口調

戦前戦後の「書き下し文」のような堅苦しい文章から脱し、いくぶんか対等な文体となったが、現代の広告文と比べると逆に馴れ馴れしく感じられる。

○おじさん構文的カタカナ使い

「ムリ」「キカイ」と目立たせたいところはカタカナで強調。これはいわゆる「昭和軽薄体」にも共通するところがある。また「マニアル」「ディジタル」「フロッピィ」などの外来語の表記ゆれも、比較的新しい工学・コンピュータ分野などによく見られる。

○送り仮名や漢字使用のゆれ

「打ち破る」ではなく「打破る」、「差し込む」ではなく「差込む」と複合語では前半の送り仮名が省かれることが多い。これは内閣告示・内閣訓令でも認められている(参照)が、現在では極端に省略されることは減り、特に後半はひらがなで表記されることも多くなった(「取りかえる」の類)。当時は積極的な漢字使用のわりに「ぜいたく」「まちがえる」とひらがな表記も随所に散りばめられ、ある程度のゆれがある。

○その他

強調や略称などを山カッコで示す。こまやかな おつきあい―<たくぎん>などの具合。

 

これらのメソッドを活かすと、たとえば以下のような架空の文章を書くことができる。ホモジナイズと高温瞬間殺菌についての説明が微妙なのは、当時の広告にまだ若干残っていた「嘘・大げさ・紛らわしい」を演出するための作為的なものであるのでご承知いただきたい。(詳しくは文末にて)

 

お子様のご健康に…協和《ビタアルファ》牛乳を!

◯つよい子を育てるビタミンD添加…
骨へのカルシューム吸収を促進させるビタミンDを添加してあります 朝食時に 運動のあとに…是非協和ビタアルファ牛乳をおのみください

◯いつも同じおいしさを御約束する完全ホモジナイズ処理…
「お腹をこわすので牛乳はちょっと…」そんな方はおりませんか 協和ビタアルファ牛乳は乳脂肪を均一化する完全ホモジナイズ処理をおこなっていますから、品質がいつも安定で、どなた様でも安心してお召しあがりいただけます

◯おいしさを逃さず安全な高温瞬間殺菌…
これまでの低温長時間殺菌(パスチャライズ殺菌)は、バイ菌の温床となっておりました 協和ビタアルファ牛乳は、摂氏120度もの高温での殺菌ですから高い安全性を誇っております また2秒間という超短時間の殺菌ですから、たいせつな牛乳の風味を損ないません

協和《ビタアルファ》牛乳のお求めは、お近くの協和乳業特約店へどうぞ みなさまおなじみの《ブルー・カウ》マークが目印です

 


(※)牛乳でお腹を壊すのは主に乳糖が原因であり、乳脂肪分を均一化するホモジナイズ処理とはあまり関係がない(全くの無関係というほどではないが)。また高温瞬間殺菌(UHT殺菌)の方が衛生的で長持ちするのは事実だが、一般に低温長時間のパスチャライズ殺菌の方が風味は損なわないとされる。

10代最終日の日記

2022年9月22日(木曜日)

10時頃に布団と畳の境目みたいなところで目が覚めた。電気もテレビも点けっぱなし…気づいたら眠っていたようだ。昨日買っておいたフジパンのピザパンをレンジにかけて食べる。その後はコーヒーを飲みながらAbemaTVで永遠に再放送されている「あたしンち」や録画してあった「水曜日のダウンタウン」を見ながらウダウダした。昼には冷凍ピラフを温めて食べ、その後もダラダラが続く…かと思ったが、本当に何もせずに一日が終わりそうな気がして散髪に行くことにした。

担当は中国出身の理容師さんで、切る長さなどの最低限のことしか話しかけて来なくてつまらないな…と思っていたが、何故かシャンプーの時にだけ話しかけてくる。「どちらのご出身で?」「大分です」「温泉が有名ですね」「そうですね、滋賀に来てから全然近くに温泉ないんですよね、雄琴ぐらいかな?」「風俗街ですねえ」「本来の雄琴とは違う場所らしいと聞きましたが…」内容は別になんでもいいが、今話す??? 何度も口に水が入りそうになった。

その後は近くのコメダ珈琲店へ。そういえばコメダに来るの初めてだなあ。ミニシロノワールを食べ、アイスコーヒーを飲みながら市民ライターとしての記事を書いた。店内には一応Wi-Fiの電波が飛んでいたが、30分限定の接続サービスだったので結構な頻度で切れていた。まあ無いよりはマシかな…

2時間ぐらいでコメダを退店し、通りにある平和堂へ向かった。ゴミ袋や煎餅を買うために立ち寄ったつもりだったが、後でまた夕食を食べに出るのも億劫に感じて、割引になっている寿司や刺し身を購入。きょうは別に誕生日でもないし、そんなに上等なものを食べなくても良いのだ。

家に戻ってからは本当にいつも通り過ごしたが、日付が変わる時間だけは多少緊張した…10年前、小学4年生だった自分は何を考えていただろうか。思春期の入り口、少しだけ荒れていたクラス―あまり慣れない感情に戸惑うときもあったが、いま思えば大したことでも無かったのではないか、と懐かしむばかりだ。そしてこれから10年後、どこで何をしているか分からない2032年の自分もまた、今日のことを懐かしく思うのだろう。

マイコン炊飯器―レトロニムが生まれなかったことによる小さな矛盾

電磁誘導の原理を利用して釜そのものを発熱させる方式の炊飯器を「IH炊飯器」と呼ぶのに対し、従来型の電熱ヒーターを用いて間接的に釜を熱する方式のものは「マイコン炊飯器」と呼ばれる。とはいえIH炊飯器もマイコン(マイクロコントローラ)によって電子制御されており、若干の矛盾をはらんだ呼び方だといえる。

 

「レトロニム(再命名)」という概念がある。携帯電話の誕生をきっかけにこれまで「電話」としか呼ばれていなかったものが「固定電話」と呼ばれるようになったり、新幹線ができる前は「路線」としか呼ばれていなかったものが「在来線」と呼ばれるようになったり… 新概念の誕生などによって意味が広がった言葉を、以前指していた意味に限って用いるために作られた言葉のことだ。

 

これに従い、「IH炊飯器」に対して「電熱線炊飯器」や「シーズヒーター炊飯器」のような言葉ができてもおかしくはなかったはずだが、どういうわけか普及しなかったようで、このような小さな矛盾が残る結果となってしまった。

 

(※)一見すると「マイコン炊飯器」が「IH炊飯器」に対するレトロニムにも感じられるかもしれないが、マイコン炊飯器はそれ以前のバイメタルや原始的な電子制御を用いた炊飯器よりも"新しい"ことを示すために使われ始めた表現であり、IH炊飯器から遡って命名されたレトロニムではない。