エブリーネット

文章がかなり拙い中学生の頃の記事もありますが、これは戒めです。

小学生日記

f:id:makochan1975:20220204221254j:plain

小学5年生の時の「わたしの生活ノート」が出てきた。連絡帳的なアレだ。どんなことを書いているのだろう、と読み返していると思い出したことが一つある。

f:id:makochan1975:20220204202838j:plain

冬のとある日。インフルエンザで欠席します、という内容で、翌日の予定などを隣の席の女の子が代筆している。多分向こうは覚えていないであろう、この字にまつわるちょっとしたお話。

確かこの連絡帳が書かれる2年前、小3のときにも彼女とは同じクラスだったのだが、当時国語の授業では漢字の小テストの相互採点が行われていた。漢字ドリルに付属する10問程度のものを互いに採点しあうテストだ。漢字が大好きで、漢字字典を熟読して50問テストでは必ず95点以上を奪取していた私。小テストもやすやすとこなしていたつもりだったのだが、習字の達者な彼女はそれらに10点中6点や7点をつけてくるのである。「ここは跳ねない」「突き抜けないで」「はらいが足りないよ」とニコニコしながら楽しそうに毎回毎回難癖をつけてくるのがとにかく嫌だった。習字の先生の真似事をしてか、上から赤い鉛筆で手本まで書いてくる。「字なんか読めればいいだろう、意地悪だなあ」「どれだけ頑張っても8点どまりじゃないか。何としても満点を取らせたくないんだな」「誰にでもこんなことをやっているの?」…と口には出さないが不満を持っていた。私は漢字だけにはとにかく自信があったもので、そのプライドをへし折るような採点には全く納得がいかなかったのである。

 

それから2度のクラス替えを経て5年生に。新しい担任は(当時の自分には)画期的に思えた席次を導入した。いわゆる「コの字型配列」である。議会のように真ん中が空く、話し合いに適したフォーメーションだ。その割にはこのクラスで活発な話し合いをした記憶はないが…

 

そんなことはともかく、このコの字において私は彼女と向かいあう席になった。それから数日後の帰りの会のこと。最後に担任の話を聞く際、この陣形には教壇に立つ人物の方をまっすぐ向ける児童が三面のうち一面にしかいないという根本的な欠点があるため、どうしても我々両サイドの人間は横を向くような形で話を聞くしかない。とはいえずっと横を向き続けると疲れてしまうのでたまには真正面を向くのだが、その時、彼女とぱっと目があってしまった。少し気まずく思ってすぐにそらしたが、妙に気になってもう一度見ると、なぜか満面の笑みで軽く手まで振っている。「真面目な子だと思っていたけど、先生が熱心に話しているときによくそんなことするなあ」とは思いつつ、意外に可愛らしいところもあるなあ、と照れながら手を振りかえした。